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偽C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」|医薬品専門の現金問屋制度を悪用

医薬品業界の「医薬品専現金化制度」を悪用

厚生労働省は1月17日、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が奈良県内の薬局チェーン「関西メディコ」で発見されたと発表しました。偽造品の成分は調査中ですが、製造・販売するギリアド・サイエンシズ社は、安全のため薬の形状や刻印などを確認のうえ、不自然な場合は医療機関や薬局に問い合わせるよう呼びかけています。健康被害の報告はこれまでのところありません。

同社や厚労省によると、偽造品は正規取引先以外の経路から入手されたものであることが分かっています。本来はひし形、だいだい色の錠剤で表面に「GSI」や「7985」の刻印があります。偽造品は形が楕円形であったり、色が薄い黄色や紫色だったりするなど複数の偽造例が確認されています。ハーボニーの利用者数は約7万6000人。

毎日新聞の報道によれば、高額なC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が見つかった問題で、医薬品流通の正規とは異なる「裏ルート」の存在が背景がすでに判明しています。

ハーボニー配合錠の偽造品について、厚生労働省は1日、ドラッグストアなどで市販されているビタミンのサプリメントと風邪の時に服用する漢方薬だったとの成分分析結果を公表。同省は国内で何者かが正規品のボトルに詰め替え、卸売業者に売ったとみています。また偽造品は都内の業者の在庫からさらに1本発見され、計15本になっています。

偽造品は15本とも東京・神田の卸売業者が昨年11月以降に購入し、うち5本が翌日までにさらに複数の業者を経由して薬局チェーン「関西メディコ」に納入されたことが確認されています。業者は「現金問屋」と呼ばれており、面識のない複数の個人から1本90万~100万円で買ったと毎日新聞の取材に答えています。

現金問屋が売買記録を残していないため、偽造品を持ち込んだ人物の特定はできておらず、都などは医薬品管理がずさんだったとして、医薬品医療機器法に基づく行政処分を検討している模様です。

 




 

ルイ・ヴィトンやエルメスの偽造品のように国内大量流通の可能性

わが国の医薬品流通制度では、医療用医薬品は製薬会社から卸業者を介して医療機関や大手薬局・個人薬局へと納入されます。

このルート以外で持ち込まれた医薬品を即金で買い取るのが医薬品専門の現金問屋であり、公定の薬価と比べて数%程度低い正規ルートより安く売買されます。

裏ルートは「現金問屋」と呼ばれる中小卸売業者が担い、由来が不確かな医薬品の売買が横行しており、そこにボトルの中身をすり替えた偽造品が入り込んだとみられます。

医薬品医療機器法(以下、薬機法と称する)に無許可業者からの買い取りを禁じる規定がないことが、こうした流通の温床になっているとの指摘があります。

現金問屋関係者によるところ、本来は薬の転売ができない医療機関や薬局、薬が不要になった患者から買い受けており、現金問屋を利用するメリットとしては、業界関係者は「医薬品の病院や薬局は在庫を現金化できることで、医薬品の在庫化による経営圧迫の解消、同時に需要医薬品の安価での仕入れることができ、必要悪のような存在」とのことです。

事務総局広報としての総括

薬機法は無許可での医薬品販売や偽造品の販売を禁じる一方、無許可業者からの買い取りを禁止する規定がありません。また、買い手は相手の氏名を記録する義務がありますが、連絡先の確認は求めていないため、今回「偽造品」を持ち込んだ人物も特定できていません。

今回の現金問屋への偽造品売買は、「裏ルート」というよりは医薬品在庫の現金化制度の悪用ともいえます。現金問屋に偽造品を持ち込み、相手を騙して現金を搾取する単純な方法は、偽ブランドの代名詞ともいえるエルメスやルイ・ヴィトン、ロレックスなどでは日常茶飯事のことであり、さほど特別なことではありません。

注目すべき点として高級ブランド業界と違い、医薬品の場合は中身を開封・成分検査することができないため、正規品かどうかの即時鑑定ができません。持ち込み者の秘密厳守(倒産・廃業等)の配慮、医薬品に偽造品はないとの思い込みから取引情報を記録していなかったことが偽造品流通の最大要因といえます。

偽ブランド品の通信販売サイトは毎日のように中国・香港サーバにて誕生している現在、表にでてきた医学界・医薬品における偽造品も氷山の一角といえます。こうした一連の動きには中国の関与も否めませんが、日本政府が寄託者である知的財産権の保護に関する国際条約「偽造品の取引の防止に関する協定(通称:ACTA)」を批准していない中国に取締りを期待するのは無謀といえます。

国民の生命に関わることから、医薬品における偽造品の取締対策も必要不可欠といえます。そこで当法人が開発している知的財産流通データバンク「ACTA」が起動及び運営がなされておれば、日本国内での偽造品流通防止に寄与することができると考えます。

その理由としては、医薬品メーカーとの連携により、予めACTAに情報が登録されておれば、偽造品が現金問屋に持ち込まれた場合、流通経路の把握ができるだけでなく、仮に取引成立後、対象医薬品が偽造品であった場合、持込業者(個人)の特定につながるのではないかと事務総局広報では考えており、以上をもって総括とさせて頂きます。

■ ハーボニー配合錠 解説
ハーボニーはC型肝炎患者の約7割を占めるタイプに効き、効果が高い治療薬として知られています。しかし、2015年9月に発売された当初、1錠約8万円と高額だったため、医療費を圧迫すると批判。

このため、年間売り上げ1000億円超の薬の価格を大幅に引き下げる厚生労働省の特例の対象となり、16年4月から、5万4796円に価格改定。尚、C型肝炎はC型肝炎ウイルスの感染が原因で発症する肝臓の病気。国内には100万人以上の感染者がいると考えられています。


記事・写真引用:毎日新聞 2月1日(水)10時23分配信

 

 


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