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シングルマザー貧困問題|シングルマザー年収223万円の現実

シングルマザー年収223万円の現実

2017年3月28日、政府は「働き方改革実行計画案」を発表し、懸案の「同一労働同一賃金」について、「非正規雇用の割合が高いシングルマザーや単身女性の貧困問題の解決のためにも重要である」と記しました。シングルマザーの雇用や賃金は改善されるのでしょうか。藤田結子・明治大商学部教授(社会学)の報告です。

 

母子世帯の母親の平均年収は223万円で、シングルマザーの多くが貧困状態

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3月28日に開かれた働き方改革実現会議(毎日新聞提供)

母子世帯の母親の8割が就業していますが、2011年度全国母子世帯調査によれば、正規の職員・従業員は約4割程度にとどまっており、「パート・アルバイト」「派遣社員」などの非正規雇用が5割を超えています。

経済学者の遠藤公嗣さんは、正規雇用の賃金が高く、非正規雇用の賃金が安いのは、「男性が外で稼ぎ、女性は家事・育児」という性別役割分業と関係しているからだと指摘しています。

日本では、家族を養うのは正社員の夫であって、パート主婦は家計を補助するために働いているので、賃金は低くてもかまわないと考えられてきました。しかし働き方が多様化した現代日本にあっては、シングルマザーを含め、家族を養わなければならない非正規雇用者が増えています。

 

高学歴のシングルマザーの実態

渡辺沙織さん(仮名、30代)もその1人。難関大学を卒業後、ある企業に正社員として就職しました。20代で結婚し、娘を出産して退職しましたが、その後離婚しました。今後は1人で稼いで、まだ幼い娘を10年以上育てていかなければなりません。

沙織さんは育児と両立できる仕事を探すため、転職支援サービスに登録しました。しかし、定時に帰れる正社員の職はみつかりませんでした。とりあえずは契約社員でもよいと考え、O社で非正規の事務職に採用されました。しかし契約社員なのに繁忙期にサービス残業をしなければならないほど、仕事量が多い職場でした。

仕事と保育園の送り迎え、育児を1人でこなし、いつも朝から晩まで働き詰めでヘトヘトです。何度も過労で倒れそうになりました。それでも正社員への転換の可能性があると言われたため、残業も進んでやりました。沙織さんは正社員とほぼ同じ業務を担当していますが、年収は正社員の2分の1以下で300万円に届きません。

そんなある日、突然、人事から数人の非正規雇用の女性たちにメールで雇い止めの通知がきました。上司や人事に抗議をしたものの、さらりと受け流されるだけ。正社員登用をちらつかされたうえに放り出され、ストレスで体調を崩しました。

沙織さんは転職活動を再開し、ハローワークにも行きました。が、今度も子育てをしながら、自分と娘を養っていけるような職が見当たりません。

そこで今度は手に職をつけて、専門職をめざすことにしました。医療系資格の専門学校に入学することを考えましたが、授業料とその間の生活費を払うことができません。これから1年間は再び非正規雇用で働き、お金をためる必要があります。

再就職口は見つからず、学校に入りたくてもお金がないという八方ふさがりの状態に陥りました。仕方なく、事務のパートを二つかけもちすることで、一時しのぎをすることに。時給1200円で手取りは十数万円。生計をたてるには厳しいですが、泣き言はいっていられません。

「娘に十分な教育を受けさせたいし、大学を出るまで教育費を稼がなければなりません。手に職をつけて長く働けるようがんばるしかないんです」

 

 

藤田結子・明治大商学部教授(社会学)の報告

沙織さんのように、1人で子育てをしながら、残業のある正社員として働き続けることは困難です。子どもの世話のために早く帰れる非正規雇用で働かざるを得ず、賃金の低さから貧困に陥りやすいといえます。

非正規の賃金はヨーロッパでは正規の8割程度です。これに対し日本では6割程度と低くなっています。この不平等な状態を変えるため、野党は「同一価値労働同一賃金」原則の導入を提案しています。これは、同じ職務に同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」と同じではありません。

「同一価値労働同一賃金」の原則は、仕事が違っても、その価値が同じであれば同じ賃金を支払うべきだ、という考え方です。「知識・技能」「責任」「負担」「労働環境」の4要素で職務を評価します。国際労働機関(ILO)が提唱し、欧米で普及しています。

[同一価値原則の必要性]
同一価値の原則がなぜ重要なのでしょうか。その理由の一つは、男性と女性では異なる職につく傾向があり、介護士など女性が多く就いている仕事は過小評価され、賃金が低い傾向にあることです。

職務が同じ場合にだけ同じ賃金が払われたとしても、女性が多数を占める仕事の賃金が低いままだと、家族を養う女性の貧困はなかなか解消されないでしょう。そこで「同一価値」の原則が重要になるのです。


働き方改革で示された「同一労働同一賃金」を実現するため、「実行計画」は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すとしています。しかし、そのガイドライン案に実効性はあるのか、非正規雇用の女性の貧困問題を解決するには不十分ではないか、という声もあがっています。

 

事務総局広報としての総括

シングルマザーとその子どもたちによる相対的貧困問題に関して、私たち一般社団法人FAPRAでは、マザーズHELPs運動「ボランティア民泊」を展開しております。

マザーズHELPs運動「ボランティア民泊」とは、経済連動型の寄付制度であり、シングルマザーとその子どもたちの教育制度です。また苦しむ人々の立場に身を置くことで、「現実は変えることができる、私たちが変われば」という価値観を共有し、一緒に問題解決を図るための運動です。

マザーズHELPs運動の具体的な行動として、私たちFAPRAはボランティア民泊専門の宿泊マッチングサイト「YADOCARI(ヤドカリ)」を立ち上げました。出張の宿泊先にマザーズHELPs運動「ボランティア民泊施設」を選択して頂くことで、私たちFAPRAは皆様の出張費削減に貢献するとともに、シングルマザーとその子どもたちの経済的環境を変えていくことをお約束致します。以上をもって総括とさせて頂きます。

記事・写真引用:毎日新聞社 4月22日(土) 9時30分配信


 


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