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農林水産物輸出機構の創設|JA改革×TPP戦略

2014/07/30

[農林水産物輸出機構の創設]

政府は29日、農林水産物の輸出を促進するため、輸出可能な農産物の掘り起こしや海外市場の調査などを担う「農林水産物輸出機構(仮称)」を創設する方向で最終調整に入りました。平成27年度予算案に設置費などが盛り込まれる見通しです。安倍晋三内閣は農産物の輸出を成長戦略の重要課題と位置づけており、6年後の平成32年までに輸出額を現在の約2倍にあたる1兆円規模に押し上げることを目標にしています。

農林水産物輸出機構の創設は、全国の生産者や個別の農業協同組合(以下、JAと称する)が連携することなく、個別に海外へ売り込んでいる現状を改善し、農林水産物の統一された交渉窓口になるのが狙いです。具体的には「通年で良質なイチゴを輸出してほしい」などの海外バイヤーの需要に応えるため、各都道府県やJAを通じて農作物の作付けや生育状況を分析。「今月は福岡産、来月は栃木産」などと切れ目のない輸出が実現できるように司令塔的役割を担うことが目的とされています。

また海外に55カ国、73事業所を展開する独立行政法人「日本貿易振興機構(以下、JETROと称する)」の協力を仰ぎ、海外の市場調査も実施。農産物が海外でより売れるような形態に整えるなどの指導も行います。政府関係者は「高品質の日本産品は中国や東南アジアの富裕層を中心に需要が多いが日本の生産者側と海外バイヤーとの歯車がかみ合っていない。国主導で農産物に関する情報を細かく分析して農産物の輸出大国を目指す」としています。

農林水産省によりますと、平成25年の日本の農林水産物輸出額は5505億円と前年比で1008億円(22%)増加しています。しかし世界各国と比較すると、22年の国連食糧農業機関の調べではわが国の農産品輸出額は世界51位。国土面積が九州程度のオランダ(同2位)の4%程度にとどまっています。ちなみに世界1位は米国です。

日本国内では今後、人口減に伴い、農産物の消費量が減っていくことは確実となっており、輸出促進は避けられない課題となっています。このため政府は6月24日に閣議決定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」の改訂版にて、農産物の輸出額を6年後の32年までに1兆円、16年後の42年までに5兆円規模に引き上げる目標を掲げています。

 

FAPRA総論

地域農業を成長戦略の重要課題に掲げる安倍晋三首相は、「岩盤規制」に守られたJAの抜本改革に乗り出しており、今回の農林水産物輸出機構(仮称)もその一つといえます。特定農林水産物名称保護法の成立、地域団体商標制度の規制緩和などもそれに準じるJA改革です。現在のわが国の農林水産業は官営であり、JAに牛耳られています。その結果がGDP第3位の経済大国並びに先進国でありながら、農産品輸出額が世界51位という低ランク評価です。今回のJA改革の一連の動きはJAの影響力を弱めるともに、農家及び民間企業の力を強め、その潜在能力を引きだすための処置であると推測されます。

農林水産物の輸出に関しても遺伝子利用によるブランド名の不正利用・海賊版による被害は依然として深刻な状況にあります。いわゆる和牛遺伝子を利用してかけ合わせて造られた「豪州産和牛(非純血和牛)」などがその代表格とあげられますが、これらは国際条約「名古屋議定書」の生物多様性条約 (以下、CBDと称する)によって、原産国の主権的権利が認められ、遺伝資源を利用する際には事前に遺伝資源提供国の同意を得ること、並びに遺伝資源の利用から生じる利益を公正かつ衡平に配分することが定められています。

つまり遺伝資源の活用で得られた利益は原産国と利用国で分け合うルールが取り決められており、豪州産和牛の遺伝子配列を調べれば原産国が日本国にあることが明確に分かります。CBDによって他国がわが国の和牛等の遺伝子を利用する場合、日本側が利益を得られないという最悪なことはありませんが、消費市場におけるブランドイメージや価格競争においては著しく不利に立たされることは否めません。

特定農林水産物名称並びに地域団体商標の農林水産物の輸出に関しては、遺伝子利用によるブランド名の不正利用・海賊版被害防止のため、わが国がその正当性を主張するためにも早期の侵害発見や初動の対策強化の重要性は論を待ちません。農林水産物の輸出と同時に真っ先に取り組むべき処置として、水際措置を含めた国内外の取締り強化を始めとする遺伝子利用によるブランド名の不正利用・海賊版対策であると考えられます。従いまして特定農林水産物名称保護法における食品名称・地域団体商標を守るため、創設予定の農林水産物輸出機構との連携を含め、当法人が開発中の知的財産流通データバンク「ACTA」の完成が急がれるものとFAPRAでは考えています。

[記事引用] 産経新聞2014年7月30日(水)07時55分配信
 

2014年07月30日10時30分配信
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