ホーム>FAPRA|プレスリリース>TPP政府方針|米国抜きのTPP経済規模は世界GDP16%、世界三大市場級の経済規模
FAPRA|プレスリリース

TPP政府方針|米国抜きのTPP経済規模は世界GDP16%、世界三大市場級の経済規模

TPPは日本主導として米国抜き11カ国にて発効を目指す


 最終更新日 2017/04/21


読売新聞の報道によれば、日本政府は環太平洋経済連携協定(以下、TPPと称する)について、米国抜きの11カ国での発効を目指す方針を固めました。

TPPを離脱した米国の「復帰」を求めて説得にあたってきましたが、先日行われた日米対話のおいてペンス副大統領が、2カ国間の貿易協定に意欲を示す中、これ以上、従来のTPPの発効を目指すのは困難と判断し、11カ国での発効に方針転換した模様です。

アジア圏の自由貿易構想では、TPPのほかに、日中韓や東南アジア諸国連合など16カ国で形成する東アジア地域包括的経済連携(以下、RCEPと称する)の締結交渉が進んでおり、年内合意も取りざたされています。ただ、交渉は中国主導で進んでおり、日本政府は「市場開放が不十分に終わる恐れがある」(政府筋)と警戒しています。

このため政府は、日本が主導したTPPの発効を改めて目指すことに至りました。

11カ国発効は米国抜きの協定へと作り直す必要がありますが、日本側は関税や通商ルールなどすでに合意した中身は変えない方針。米国のTPP離脱を機に内容見直しを求める国もあるため、5月にベトナムで開かれるTPP閣僚会合で、11カ国での発効を呼びかける方向で調整しています。

政府は11カ国が5月2日-3日にカナダで開催される首席交渉官会合で、枠組み維持を目指す考えを各国に伝え、5月下旬のベトナムでの閣僚会合で結束を確認する予定です。その後、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を見据え、首脳レベルで米国抜きの新協定づくりで協調できるよう調整する模様です。

 

2017420181931.jpg



IMF統計のGDPによれば、2013年時点で米国のGDPが域内の約60%、日本は約18%を占めています。米国抜きの11カ国のTPP発効は、世界GDP16%を有する大規模な経済連携協定となります。

TPPは米国の離脱表明で塩漬け状態になっており、再始動するには米国を除いた別の協定が必要になります。

日本は当初、米国抜きのTPPに難色を示していましたが、日米対話のおいてペンス副大統領が2カ国間の貿易協定に意欲を示したことから、11カ国で枠組みを維持する姿勢に転換。オーストラリア(豪州)、ニュージーランドなどと、極力内容を変えないことを新協定の基本方針に据えたい考えです。

米国離脱の影響は大きいですが、日本は電子商取引(EC)や知的財産の保護など、12カ国のTPP交渉で作ったルールが日本や域内全体の成長につながるとみています。企業がグローバルに活動しやすい環境を提供している面もあり、米国不在でも意義はあるとの判断に至っています。

仮に従来TPP(米国を含む12カ国TPP)の加盟を希望していた韓国、タイ、インドネシア、フィリピン、台湾、コロンビアの6カ国が加盟すると考えた場合、TPPは世界GDP20%、世界経済5分の1のシェアを有する環太平洋経済領域が形成され、世界経済としては無視できない有望な市場となります。


米国とEUを上回るようになった東アジアのGDP規模

2017420193039.jpg
 


世界に占める中国のGDPのシェアの推移
―主要国との比較―

2017420192320.png
 

2015年IMF統計によれば、世界の三大市場は東アジア26.6%、米国24.5%、欧州(EU)22.2%です。



東アジア26.6%のうち、TPP非参加国の合計GDPは16.60%(中国15%)であるため、TPP非参加国の東アジアGDP16.6%は「中国圏市場」と呼べます。

米国抜きの11カ国のTPPには、東アジアGDP26.6%のうち約10%前後(日本、シンガポール、マレーシア・ベトナムの4カ国)が参加しているわけですから、仮に米国抜きの11カ国のTPPが発効合意した場合、わが国としては、中国圏市場に匹敵する市場を手に入れたことになります。

従いまして日本の主要市場は、以下のとおりとなります。

米国市場24.5%、欧州市場22.2%、中国圏市場(TPP非参加国)16.6%、TPP領域市場16.0%

米国抜きの11カ国のTPP発効合意は、わが国の中国経済への依存脱却、市場バランスをはかるうえでも、非常に魅力的な市場ともいえます。

ただ、米国離脱で路線の修正を求める空気もあり、日本側も「各国が内容見直しを主張し始めれば、収拾がつかなくなる」(外務省幹部)と懸念。ベトナムやマレーシアは米国の市場開放と引き換えに、国有企業規制や、通信・小売り・金融などの規制緩和に応じた経緯があり、協定内容の見直しを求める可能性が高いといえます。

特にベトナムはTPP交渉で米国が守り続けた繊維分野の関税削減に成功。北米市場へのアジアの輸出拠点になろうとしていただけに、今後はTPPよりも、米国との2カ国間自由貿易協定交渉へと軸足を移す姿勢を鮮明にしつつあります。

ペルーなど南米の加盟国は「中国は域内の主要国で戦略的に重要な相手」(フェレイロス貿易・観光相)として、中国を引き入れた形でのTPPに関心を寄せており、米抜きを目指す日本などに歩み寄るかは現時点では不明といえます。

 

2017421103124.jpg



一般社団法人FAPRAでは、主体事業である「ACTA事業」を通じて、TPP加盟国の一般消費者が中華人民共和国産の海賊版を買わされて後悔することがなくなり、幅広い分野で品質の高さが正しく評価される公正なルールを共有し、持続可能な自由経済圏を還太平洋地域に創りあげるため、知的財産権保護の権利行使等の更なる活動に励んでいく所存です。

画像・記事引用:読売新聞 4月20日(木)06時02分、日本経済新聞社 4月21日(金)01時35分
図表引用:独立行政法人経済産業研究所

2017年4月20日18時30分配信
一般社団法人FAPRA
事務総局広報承認

投稿承認 顧問弁護士・顧問税理士・顧問社労士・顧問弁理士・顧問司法書士・顧問行政書士ならリーガルプロテクト

 

 


プレスリリーストップへ

 
ページ上部へ