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TPP政府方針|11カ国TPP「CPTPP」大筋合意、世界GDP13%の環太平洋経済圏誕生

20171111204939.jpgTPP会合が開かれているベトナムのダナンで(2017年 ロイターT/Na Son Nguyen/Pool )

 

世界GDP13%の環太平洋経済圏誕生へ


最終更新日 2017/11/12

AFPBBの報道によれば、ベトナム・ダナンで開かれていた米国を除く環太平洋経済連携協定(以下、TPPと称する)の参加11カ国による交渉は9日夜、早期発効に向けて大筋合意しました。

加盟国カナダによる凍結項目(環境・労働条件)による関係国調整もあり、TPPに参加する11カ国の閣僚会合で共同議長を務めた茂木経済再生相と、ベトナムのアイン商工相は11日午前(日本時間11日午後)、米国を除く新協定の大筋合意を正式に表明しました。

閣僚声明では、米国を除く11カ国による新たな協定の名称を「CPTPP(包括的および先進的なTPP)」としています。

今後、CPTPPは各国の議会承認などで批准を目指す段階に移り、6カ国以上が批准すれば発効する見通しです。

カナダ政府の声明は、「カナダにとって未解決の問題はまだ多いが、環境・労働保護がより自由な市場と結び付けられた新しい合意を歓迎する」としています。

米国がTPPに復帰するまで、実施を先送りする「凍結」項目は合わせて20項目となります。

 

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CPTPP(TPP11)経済規模、米国経済規模、中国経済規模の比較


CPTPP協定では自動車や食品などは輸出拡大を見込み、生産コストの低減も狙うことができ、電子商取引のルールが固まることでIT業界はアジア展開の自由度が高まります。確かに米国離脱で想定した経済効果は小さくなりますが、国境を越えた企業の展開に弾みがつくものと想定されます。

協定の凍結項目の多くは、バイオ医薬品の開発データの保護期間や著作権の保護期間など「知的財産」に関する項目ですが、関税の引き下げや撤廃に関するTPP合意は厳守されます。最終的に日本の輸入関税は95%が撤廃され、消費者にとっては輸入品の値下がりが見込め、輸出にも追い風となります。


 

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【各企業の動き】
■ 車生産のコスト減
自動車業界が見据えるのは関税見直しの効果です。CPTPPの関税縮小は、アジア太平洋の既存の経済連携協定(以下、EPAと称する)を上回ります。日本とベトナムはEPAを発効済みですが、完成車や自動車部品を輸出する場合は一定の関税が残っており、生産コストが下がる可能性があります。

尚、日本とカナダはEPAがなく、CPTPPが発効すれば初めて無関税の貿易が可能になります。カナダに完成車工場を置いているトヨタ自動車やホンダなどで部品輸出のコストが減ることから、デロイトトーマツコンサルティングの羽生田慶介執行役員は「米国抜きでも複数国のサプライチェーンが無関税でつながるのは大きい」とみています。


■ 電子商取引拡大
CPTPPは電子商取引のデータ流通の制限を禁止することから、これまではデータ保管のための機器類を置くよう求める国があったが、今後は日本企業が国内や第三国に置いたサーバーを経由し、通信販売などの事業を手掛けられます。海外展開の際の初期投資も小さく済むものと思われます。

パナソニックは明確なルールの整備で現地企業向けのシステム開発を商機とみています。ただ、海賊版対策や知的財産権の保護がどこまで進むかは未知数。問題が起こった場合にデータ提出を求められる事態も想定され、「内容が流動的なので精査中」と慎重な見方もあります。


■ アジア戦略強化
マレーシアやベトナムに進出しているイオンは、CPTPPにより日本からの農産物を域内で販売するだけでなく、日本向けに生産している豪州産の牛肉やワインを東南アジアに振り向けるといった柔軟な商品戦略が可能になります。

日清食品ホールディングスの横山之雄取締役は「各国の食のニーズに合わせた商品を関税コストを気にせず展開できる」と話しており、アジアで展開する即席麺事業で原料調達や生産のコスト削減が期待できます。日本マクドナルドにおいては、豪州産牛肉の輸入関税が下がります。


[FAPRA総評]
11カ国CPTPPでは、海外に進出した企業がその国の急な制度の変更などによって損害を受けた場合、国を相手取り国際的な仲裁機関に訴訟を起こすことができる「ISDS条項」と呼ばれる制度なども凍結の対象となっていますが、日本政府の関係者は「こうした項目が凍結されることによる日本への影響は極めて限定的だ」と述べています。

CPTPP加盟11カ国は、暫定TPPとして将来的に米国が復帰した際には、凍結を解除することで一致しており、新協定には11カ国の復帰が見込まれる場合やいずれかの締約国の要請がある場合などに、内容の見直しを行うことも明記されています。

アジア太平洋での質の高い貿易・投資ルールを目指したTPPは、米国の離脱を乗り越え、11カ国新協定「CPTPP(TPP11)」として発効に向けて大きく一歩を踏み出すことになります。

CPTPPの意義としては、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった価値を共有する国々とともにこのアジア太平洋に自由と繁栄の海を築き上げることにあります。

私たちFAPRAはCPTPP大筋合意を基点として、主体事業である「ACTA事業」を通じて、CPTPP加盟国の一般消費者が中華人民共和国産の海賊版を買わされて後悔することがなくなり、幅広い分野で品質の高さが正しく評価される公正なルールを共有し、持続可能な自由経済圏を還太平洋地域に創りあげるため、知的財産権保護の権利行使等の更なる活動に励んでいく所存です。

画像・記事引用:AFPBB 11月11日(土)11時43分、毎日新聞 11月11日(土)15時23分、日本経済新聞 11月12日(日)1時12分

2017年11月11日13時30分配信
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